バーで飲み歩くのが趣味の私ですが、近頃バーの中でも様々なテキーラを見かけるようになってきました。リカーショップに行っても一部テキーラコーナーがありますし、スーパーのお酒コーナーでも何種類か販売しています。
世界ではセレブや実業家が好むお酒としてのイメージもありますが、悲しいことに日本では未だ罰ゲームとしてのイメージが強いでしょうか…。
蒸留酒はコストパフォーマンスが良く、保存もでき、悪酔いや二日酔いにもなりにくいと、素晴らしいお酒なのですが、その中でもテキーラは最も飲みやすいとも言われています。
今回はそんな皆様にお勧めしたいテキーラの話の中から、テキーラの概要をまとめたいと思います。
Contents
テキーラの正体
原産地呼称
私たちのよく知るお酒の種類にはビールやワイン、ウイスキーなどがありますが、テキーラはどのような分類になるのでしょうか。
テキーラという呼び名は実はシャンパンと同じ分類です。
どういうことかというと、シャンパンとはスパークリングワインの内シャンパーニュ地方で造られた厳格な規則に則ったスパークリングワインだけが名乗ることができます。
このような仕組みのことを原産地呼称と呼びます。
テキーラはメキシコの限られた地域で造られたもののみが名乗ることが許された、アガベスピリッツの一種です。
大変ややこしい話ではありますが、テキーラにはメスカルやソトルなどといったアガベスピリッツ類の兄弟が多く存在しています。
メスカルやソトルについては後日触れるとして、テキーラが特定の地域以外のものは名乗れない、プレミアムなお酒だということです!
テキーラの原料
テキーラやメスカルの原料はよくサボテンと勘違いされがちですが、これは全くのデタラメです。
実はサボテンには発酵させるための糖分や、酵素分解するためのデンプン質も少なく、お酒にするのには適していません。
テキーラやメスカルの原料は先ほど名前の上がった、アガベ。
さらにテキーラはそのアガベの中でも一品種のブルー・アガベ、現地ではスペイン語でアガベ・アスールと呼ばれるアガベのみを使うことが義務付けられています。
メスカルはエスパディンというアガベ品種を使うことが多いのですが、アガベであれば様々な品種を使用可能です。
このアガベというのが日本でいう竜舌蘭という植物で、アガベ自体は観葉植物として日本でも見かけることができます。

刺々しくてサボテンに間違えられそうですが、植物学上に近いのはアスパラガスだそうです。
テキーラの規則
シャンパンのように高品質を保つため、テキーラを名乗るためには複数の厳格な基準をクリアする必要があります。
これがテキーラをテキーラたらしめる大きな要因の一つでもあります。
①メキシコのテキーラ5州で育成されたアガベ・アスールを使用する
テキーラ5州
「ハリスコ州」「グアナファト州」「タマウリパス州」「ミチョアカン州」「ナヤリ州」
このうち、アガベ・アスールの90%は原生でもあるハリスコ州で育成されるそうです。
②テキーラ5州とその周辺で蒸留したもの
現在では150箇所近くある蒸留所のほとんどがハリスコ州内にあるそうです。
この二つの実情から、現存するテキーラのほとんどはハリスコ州で造られたものであることがわかります。
③原材料にアガベ・アスールを51%以上使用する
これは後ほどテキーラの種類において細かく説明します。
④最低2回蒸留する
テキーラは蒸留酒なので、蒸留することによって高いアルコール度数を得るのですが、テキーラと名乗るためにはこの蒸留という工程が最低2回以上必要です。
⑤アルコールの度数が35%~55%であること
基本的にほとんどのテキーラは40%で、これはボトルに表記があります。
度数の高いお酒だと思われがちですが、60%近くのものも多いウィスキーと比べると中々飲みやすい部類に入ると思います。
⑥メタノール値が3mg/1ml以下であること
人体に有害なメタノール値はテキーラ以外にも各国で制定されていて、これを越えるものは飲料用としてではなく製菓用として輸入されることもあります。
⑦水以外に加える添加成分は1%以下であること
アルコール度数を調整するために加水することは許されていますが、固形物などはテキーラでは許されていません。
そのため、よく見かける虫入りのものやチリペッパー入りのものはテキーラではなくメスカルということになります。
あまり長すぎても続かないので、第一弾はこの辺にしておきたいと思います。
次の機会ではテキーラの分類についてまとめてみます。