お酒の嗜み

テキーラの種類

前回に引き続き、今回はテキーラの種類についてのお話です。

種類や分類というのはやはりその飲料の味わいや特徴の根幹になりますので、自分の好みを見つけるときやBarで注文をする時には重要な役割を果たします。

そこで今回は基本的な、ボトルにも記載があるような分類についてまとめてみようと思います。

 

テキーラがどんなお酒か知りたい方は、前の記事も合わせてご覧ください。

 

テキーラの種類

アガベ・アスールの割合

まず初めに、前回の記事で触れたテキーラの規則の

原材料にアガベ・アスールをを51%以上使用する。

という部分について解説しようと思います。

 

実はこれも後ほどテキーラの製造法の部分で詳しく解説しようと思うのですが、アガベ・アスールは収穫までに最低7年程要します。これはどのお酒の原料に比べても遥かに長く、テキーラがプレミアムと言われる所以です。

そのため、アガベ・アスールの割合が高ければ高いほどコストも嵩んでしまうという現状があります。

そしてその原料であるアガベ・アスールの割合により、全てのテキーラは二つに分けられます。

 

100%アガベテキーラ

プレミアムテキーラとも言われ、名前の通りアガベ・アスールを100%原材料として使用しています。ボトルにある表記ではスペイン語で100% De Agaveの表記があります。

基本的にはこちらを強くオススメします。テキーラを一気飲みでしか味わったことがないような方は、スムースでピュアな味わいに驚かされることでしょう。

 

ミクスト・テキーラ

こちらは、100%アガベ以外のテキーラが分類されます。テキーラの規則である51%~99%の割合でアガベ・アスールを原料としているテキーラです。

他の原材料としてはサトウキビなどの糖分やアガベ・アスール以外のアガベなどが使われる傾向が高いそうです。

原材料費がアガベ・アスールよりも安価ですので、市場に出回っているお手頃価格のものはこちらが多いです。

 

樽熟成度合いによる分類

テキーララムのように透明なものと琥珀色のものをどちらも見かけることがあると思います。

テキーラはこの熟成度合いにより分類することができます。

 

基本的には熟成の期間が長いほど、手間や時間もかかりますので、価格も上がっていきます。

アルコール度数の高い蒸留酒は樽に入れておいても年々気化して量が減ってしまいます。

これを天使の分け前(エンジェルズシェア)といい、熟成速度や気化する速度は気温の高さに比例すると言われています。

そのため、平年気温の高いメキシコではエンジェルズシェアの速度も早く、ウィスキーやブランデーと比べると熟成期間が短く感じるかもしれません。

一説によると、メキシコでの熟成速度はスコットランドに比べて5倍ほどにもなるそうです。

ブランコ

樽による熟成が60日未満のもの。

基本的には全く樽熟成をしていないものが多いです。

無色透明のものが多く、色を邪魔しないのでカクテルを作る際にも重宝されます。

テキーラの原料であるアガベ感を感じるにはブランコが一番でしょう。

 

レポサド

“休ませた”という意味のレポサド。

熟成期間が60日以上1年未満のもの。

樽の風味も感じながら、まろやかになったアガベ感も楽しめるバランスの良い熟成度合いです。

バランス感が重要となるので、造り手の腕の見せどころとも言われています。

 

アニェホ

熟成させたという意味のアニェホ。

熟成期間は1年以上3年未満。

ウィスキーやブランデー好きにはブランコより、こちらの方が飲みやすく感じるかもしれません。

原酒の個性は薄れていきますが、酒質はマイルドにまろやかに変化してきます。

 

エクストラアニェホ

3年以上熟成させたテキーラはエクストラアニェホに分類されます。

熟成期間でいえば、間違いなく最高級のもので、価格帯としても最も高い部類になります。

 

ゴールド

ここまで樽熟成を施すほどテキーラは値段も上がっていくと書きましたが、中には低価格帯でも販売されている色のついたテキーラも見かけることがあると思います。

その中の一部のテキーラはゴールドと呼ばれ、樽塾生ではなくカラメルなどを添加して色をつけたもので、レポサドやアニェホとは全くの別物です。

 

クリスタリーノ

未だに進化し続けているテキーラ業界、こちらも比較的新しめの区分です。

クリスタリーノはレポサド以上の樽熟成したテキーラを、フィルターで一度濾すことで無色透明にしたものがここに分類されます。

クリアレポサドやクリアアニェホが見受けられます。

見た目だけでなく味わいや成分にも変化があります。

 

具体的にいうと、バニラのような甘い香りを持つバニリンという成分は通過するのですが、木由来の渋みであるタンニンはフィルタリングされ残りません。

レポサドアニェホなのに無色で、尚且つ熟成のまろやかさが際立った独特な風味に仕上がります。

 

テキーラの主要産地

次はテキーラの主要産地の違いによる分類です。

前回の記事でほとんどのテキーラはハリスコ州で造られていると触れましたが、ほとんどのテキーラはその中でもさらに二つの主要産地で造られています。

バジェス地方

英語ではローランドといい、低地を意味します。

ハリスコ州の西側の標高1200mほどの谷がこのバジェス地方

テキーラ造りは約250年も昔から始められていたそうです。

 

火山に囲まれているため、土壌は火山灰地質で水質が良く、繊維質の多いアガベが取れます。

アガベ以外の農作物が育たないほど土質が頑固で、長く育ててもアガベは大きくなりにくいです。

そのため、若いアガベがよく使用されます。

この若いアガベは力強い味わいを持っているため、合わせて木の香りが強く出る新樽が使われる傾向があります。

 

このバジェス地方で造られるテキーラは伝統的な銘柄も多く、苦味辛味が出た銘柄が多い傾向にあります。

香りも特徴的で、口当たりも強いものが好まれています。

 

ロスアルトス地方

英語で表現するならハイランド、高地を意味します。

ハリスコ州の東側標高2000mほどの高地がこのロスアルトス地方です。

ロスアルトスでは比較的新しい蒸留所が多く、テキーラ造りの歴史は90年程しかありません。

 

鉄分を多く含んだ肥沃な赤土地質で、ここで育つアガベは糖分を多く含みます。

アガベは長く育てれば10年程までは成長を続けるので、手間暇かけて作ったプレミアムテキーラも多く生産されます。

大きく育ったアガベは糖分を多く蓄え、ミルキーな甘さを持っています。

 

また大きさに余裕があるため、辛味成分の元である皮や苦味成分の元である茎を綺麗に取り除くことで、甘味旨味強調します。

このスムースな味わいのテキーラには、既に使用され、まろやかな香りになった中古樽が合わせて使用される傾向にあります。

 

 

今回は、テキーラをより楽しむための分類でした。