皆様今晩は。
突然ですが、『シードル』という林檎のお酒をご存知ですか?
“ニッカ“がシードルを推していた時期があったので、試したことはないけれど知っている人も多いかもしれません。
先日お酒をあまり飲んだことのない人とBarに行く機会がありまして、シードルを勧めたところ大変気に入っていただけたのでシードルの話をしたいと思います。
このシードルという醸造酒、基本のアルコール度数はビールよりも低いです。
またビールの様に辛口のものをジョッキで飲んだり、甘口のものをシャンパンの様にフルートグラスで飲んだり、と様々な方法で楽しむことができます。
そんな飲みやすくて奥も深い『シードル』について紹介していきたいと思います。


『シードル』とは?
『シードル』とは冒頭にて説明した通り、林檎の炭酸入りの醸造酒です。(稀に非発泡性のものも)
“醸造酒“とは、原料を発酵させて造られたお酒のことで、蒸留していないもののことを指します。
林檎は元々ブドウ糖をその果実に有しているので、酵母を加えるだけで発酵させることが可能です。
このシードルを蒸留すると果実の蒸留酒”ブランデー“となり、フランスの”ノルマンディー地方“で作られた林檎のブランデーは『カルヴァドス』とも呼ばれています。
英語では”cider“(サイダー), フランス語では”cidre“(シードル)と呼びます。
売られている容器はビールの様な中瓶から、ワインの様な大きめの瓶まで様々な形で販売されています。
有名な産地は林檎の産地としても有名なフランスの”ブルターニュ地方“と『カルヴァドス』で有名な”ノルマンディ地方“が挙げられます。
元々は衛生的な水が得られなかった時代に、水代わりに飲まれていたという歴史があるそうです。
『シードル』の飲み方
飲む際に使用されるグラスは、フランスではシャンパングラスやワイングラス。
対してアメリカなどその他の諸国ではビアグラスが使われることが多い様です。
日本では体感的にはワイングラス派のが多いかな?といった感じです。
種類としては大きく分けると”甘口“と”辛口“があります。
甘口は林檎の糖分が残っているということなので度数も低く、辛口では糖分は発酵に使われているため度数も高めになります。
スペインでの少し変わった『シドラ』(シードル)の注ぎ方を紹介します。
こちらの注ぎ方は『エスカンシアール』と呼ばれ、スペインの伝統的な『シドラ』(シードル)の注ぎ方です。
泡を立たせるために高いところから注ぎ、泡が消えるまでの間に飲みきるそうです。
日本の『シードル』
世界事情ではシードルを作る際に使用される林檎の品種はワインの様にシードル専用のものを使用します。
しかし、日本では日本固有の品種である”ふじりんご“や”紅玉“など糖度の高い食用の林檎が人気です。
シードルは出来上がるまでの工程が少ないので、林檎の品種や出来により味も左右されやすく、ワインの様に原料の繊細な味わいの違いを楽しむことができるお酒です。そのため、日本人が日本人のために日本固有品種の林檎で造った『国産シードル』は是非とも試していただきたいです。
日本でのシードルの知名度はまだまだ低いですが、『日本シードルマスター協会』という団体が日本での認知度100%を目指す活動をしています。
オススメのお店
あくまで個人的なオススメということです。
実際に利用したお店しか紹介できませんが、年間100店舗以上新しい飲食店を利用している筆者的にはとてもオススメのお店です。
東京部門
所在地:東京都新宿区 新宿 3-28-16 新宿コルネビル5F
昼間は3pmから営業しており、店内も禁煙ととても利用のしやすいBarです。
樽生シードルや国産シードルなど常時数種類のシードルを置いており、解説を聞きながら楽しむのには最適です。
他にも国産野菜や果物を使用したオリジナルカクテルや料理、数十種類の自家製インフュージョンスピリッツ(果物やハーブなどをつけた蒸留酒)、ウィスキーも珍しいものも含めて300種類ほどと、Bar巡り好きの私でも大満足なBarです。
予約限定のシェア料理コースもついた飲放題プランは変わったカクテルや40種類のウィスキー、話題の『樽生シードル』など飲み物の種類が多くてオススメです。
大阪部門
所在地:大阪市中央区難波1-4-18
大阪難波にあるクレープやガレットの専門店です。
シードルを推しているお店ではないのですが、お手頃価格で美味しいシードルが楽しめます。
最大の楽しみはガレットメニューの”ノルマンディー“です。
“ノルマンディー地方“をイメージしたカマンベールチーズ、ハチミツリンゴ、ソーセージ、じゃが芋を使用したガレットです。
やはりお酒は食べ物と合わせてこそなので、土地によるペアリングは一番の楽しみ方とも言えるでしょう。
以上簡潔にではありましたが、『シードル』について紹介させていただきました。
まだあまり知られていないシードルの世界ですが、興味を持っていただけたら幸いです。